はじめに
前回の記事では、
転職するのか、独立するのか、それとも現職を続けるのかを考える際には、
まず自分が何を優先したいのかを整理することが重要だとお話ししました。
しかし、その判断をするためには、
まず自分自身を理解する必要があります。
そこで役立つのがキャリア棚卸しです。
キャリア棚卸しというと、職務経歴書やスキルシートを作る作業をイメージする方もいるかもしれません。
もちろんそれも大切ですが、50代で重要なのは、
「何をやってきたか」
だけではなく、
「何が強みなのか」
を整理することだと思います。
今回は私自身の経験も踏まえながら、強みを見つけるための3ステップをご紹介します。
なぜ50代にキャリア棚卸しが必要なのか
20代や30代であれば、
新しい技術を覚えたり、経験の幅を広げたりすること自体が評価につながることもあります。
一方で50代になると、
企業や顧客が見ているのは、
「何ができる人なのか」
「どのような価値を提供できるのか」
です。
例えば、
- 開発が得意なのか
- 要件定義が得意なのか
- 顧客対応が得意なのか
- プロジェクト推進が得意なのか
によって活躍できる場所は変わります。
転職する場合でも、
独立する場合でも、
現職を続ける場合でも、
まずは自分の強みを整理することが重要です。
STEP1 自分が自信を持っていることを整理する
まずは、
自分が得意だと思うことを書き出してみます。
例えば、
- 要件定義
- 設計
- 開発
- 運用保守
- 顧客対応
- 課題管理
- プロジェクト推進
などです。
この段階では、
他人の評価を気にする必要はありません。
大切なのは、
「自分なら任せられると思う業務は何か」
を整理することです。
自分では当たり前だと思っていることでも構いません。
まずは思いつくままに書き出してみましょう。
STEP2 周囲から評価されたことを整理する
次に、
実際に周囲から評価されたことを振り返ります。
例えば、
- 顧客から感謝された
- 継続参画を依頼された
- 難しい案件を任された
- トラブル時に相談された
- 後任育成を任された
などです。
ここで重要なのは、
自分が強みだと思っていることと、
周囲が評価していることが一致しているとは限らないことです。
例えば、
本人は技術力を強みだと思っていても、
実際には、
- 顧客との調整力
- 問題解決力
- 関係者とのコミュニケーション力
を評価されているケースもあります。
自分では当たり前だと思っていることが、
実は市場価値だったということも少なくありません。
STEP3 失敗とリカバリー経験を整理する
50代になると、
成功経験だけでなく、
失敗経験も大きな財産になります。
例えば、
- プロジェクトの遅延
- 障害対応
- 顧客との認識違い
- 関係者との調整不足
- 見積りミス
などです。
重要なのは、
失敗したことではなく、
その後どう対応したかです。
- なぜ失敗したのか
- どうリカバリーしたのか
- 何を学んだのか
を整理してみてください。
面接でも、
成功体験だけでなく、
失敗から何を学んだのかを聞かれることがあります。
失敗経験を振り返ることで、
問題解決力や対応力も見えてきます。
キャリア棚卸しの結果をどう活かすか
キャリア棚卸しの目的は、
整理して終わることではありません。
整理した結果をもとに、
今後の働き方を考えることが重要です。
転職した方が良いケース
- 現職に大きな不満がある
- 現職では自分のしたいことができない
- 転職によって収入や待遇の改善が期待できる
独立した方が良いケース
- 会社のサポートが不要で会社に縛られたくない
- 自分で仕事を受注できる
- 自分で実現したいことがある
現職継続した方が良いケース
- 現在の環境に満足している
- 十分評価されている
- 大きな不満がない
どれが正解というわけではありません。
重要なのは、
自分の強みを活かせる場所を選ぶことだと思います。
私の実体験
私自身は若い頃はシステム開発を担当していました。
しかし、その後は社内IT部門の業務が変化し、実際にプログラムを開発するのではなく、
- ユーザーの要望を整理する
- 仕様を検討する
- ベンダーへ開発を依頼する
という形が中心になりました。
そのため、自分で開発する機会は徐々に減っていきました。
また、新しい技術を積極的に追いかけるタイプでもなかったため、開発技術に関する知識は古いままになっています。
一方で、
- ユーザーの要望を整理する
- 仕様としてまとめる
- ベンダーへ正確に伝える
- 開発内容を確認する
といった業務については、多くの経験を積んできました。
キャリア棚卸しをしてみると、
私が評価されてきたのは開発技術そのものではなく、
ユーザーの要望を整理し、
システムとして実現できる形に落とし込み、
ベンダーや関係者と調整しながら前に進めることでした。
また、
自分自身もそのような仕事にやりがいを感じていたことに改めて気付きました。
キャリアを振り返ってみると、
「人とシステムの間に立ち、要望を形にしていくこと」
が私の強みであり、
価値を提供できる領域だったと再認識できました。
だからこそ、
転職や独立を考える際も、
「何ができるか」だけではなく、
「何で評価されてきたのか」
「どのような価値を提供できるのか」
を整理することが重要だと感じています。
まとめ
50代ITエンジニアのキャリア棚卸しでは、
単に職務経歴を整理するだけでは不十分です。
重要なのは、
- 自分が自信を持っていること
- 周囲から評価されたこと
- 失敗とリカバリー経験
を整理することです。
その結果、
自分の強みや市場価値が見えてきます。
転職・独立・現職継続のどの道を選ぶ場合でも、
まずは自分自身を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
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