50代ITエンジニアは独立すべきか|向いている人・向いていない人の判断基準

はじめに

50代になると、

「このまま会社員を続けるか」

「転職するか」

「独立するか」

を考えることがあります。

私もそうでした。

私は長く会社員としてITの仕事を続け、その後SES会社を経て独立しました。

現在はITフリーランスとして仕事をしています。

実際に独立してみて、

「自分にはこの働き方が合っている」

と感じています。

ただし、

50代ITエンジニアなら独立した方がよい

とは思っていません。

特に気をつけた方がよいと思うのが、

「今の会社や仕事が嫌だから独立する」

という考え方です。

今の会社を辞めたいことと、独立して仕事を続けられることは別の問題です。

一方、SESで働いている人であれば、独立できそうかどうかを今の仕事からある程度判断できると思っています。

私なら、主に次の3つを確認します。

  • 今の現場で自分はどこまで仕事を進められているか
  • お客様からどのように評価されているか
  • 自社のサポートがなくても仕事を進められるか

この3つを振り返ると、独立後もやっていけそうかがかなり見えてきます。

この記事では、私自身のSES時代と独立後の経験から、

50代ITエンジニアが独立するかどうかを何で判断すればよいのか

を整理します。

独立をすすめる記事ではありません。

自分に合った働き方を考えるための記事です。

この記事でわかること

この記事では、次の内容を整理します。

  • SES経験者が独立できそうかを判断する方法
  • お客様からの評価を見る理由
  • 自社のサポートなしで仕事ができるかという判断基準
  • 独立を急がない方がよいケース
  • 独立前に案件を確認する方法
  • 私が現在も独立を続けている理由

結論:今の仕事を振り返れば、独立できそうかはある程度わかる

私が50代ITエンジニアの独立判断で一番重要だと思うのは、

今の仕事を振り返ること

です。

特にSESで客先常駐をしている人なら、判断材料はかなりあります。

私は、

「自分の仕事」「お客様の評価」「自社への依存度」

の3つを見ると分かりやすいと思っています。

例えば、

  • お客様からどのように評価されているか
  • どのような仕事を任されているか
  • 自分で仕事を進められているか
  • 問題が起きたときに自分で対応できるか
  • 自社の営業や上司のサポートがなくても現場で仕事ができるか

といったことです。

これらを振り返って、

「会社のサポートがなくても、現場の仕事は自分で進められそうだ」

と思えるのであれば、独立を検討する材料になります。

逆に、

会社が仕事を用意してくれる。

困ったときは上司が対応してくれる。

客先との問題は営業が調整してくれる。

そうした支援への依存が大きいのであれば、すぐに独立しない方がよいかもしれません。

独立したいという気持ちより、

会社を離れても仕事を続けられる状態になっているか

を見る方が重要だと思います。

判断① 今の現場で自分はどこまで仕事を進められているか

私はSES会社に在籍し、客先常駐で仕事をしていました。

その経験から感じるのは、SESは独立前の自分を確認しやすい働き方でもあるということです。

客先では、自社の上司と毎日一緒に仕事をするわけではありません。

客先の担当者や他社のメンバーと仕事を進めます。

その中で、

自分がどこまで仕事を任されているか。

誰から指示を受けているか。

自分で判断する場面がどれくらいあるか。

問題が起きたときにどう動いているか。

を確認できます。

例えば私は、

  • 要件を整理する
  • 基本設計を行う
  • 利用部門と話をする
  • ベンダーと調整する
  • 設計内容をレビューする
  • 課題を整理する
  • 必要な人に報告や相談をする

といった仕事をしてきました。

こうした仕事を、自社から細かく指示されなくても客先で進めていました。

ここで確認したいのは、

「SES会社の社員だから仕事ができているのか」

それとも、

「自分の経験と仕事の進め方で仕事ができているのか」

ということです。

後者に近いほど、独立後も現場で仕事を続けられる可能性は高くなると思います。

判断② お客様からどう評価されているか

次に見るのが、

お客様からの評価です。

自分では、

「仕事ができている」

と思っていても、それだけでは判断できません。

実際に仕事を依頼する側から、どう見られているか。

ここが重要です。

例えば、

  • 継続して仕事を任されている
  • 難しい仕事を相談される
  • 自分の意見を求められる
  • 次の仕事でも必要とされる
  • 「この人なら任せられる」と思われている

という状態であれば、独立後にもつながる可能性があります。

私の場合も、SES時代に約7年間客先常駐を続ける中で、仕事上の評価と信頼を積み上げてきました。

それが独立後の仕事にもつながっています。

案件終了後も次の仕事につながる信頼については、50代ITフリーランスが案件終了に備えてやること|次の仕事につながる信頼の作り方でも詳しく書いています。

50代であれば、これまで働いてきた中で何らかの評価を受けているはずです。

大切なのは、

自分が思っている強みではなく、実際にお客様から何を評価されているか

を見ることだと思います。

判断③ 自社のサポートがなくても仕事ができるか

SESから独立を考えるなら、私はここをかなり重要視します。

自社のサポートがなくなっても仕事ができるか。

SES会社にいると、自分では意識していなくても会社からさまざまな支援を受けています。

例えば、

  • 案件を探してもらう
  • 客先との契約をしてもらう
  • 問題があれば営業に相談する
  • 客先との調整を会社が行う
  • 次の案件を用意してもらう

といったものです。

独立すると、この部分の多くを自分で考える必要があります。

一方、現場の仕事そのものについても確認が必要です。

自分で状況を整理できるか。

必要な人に確認できるか。

問題を放置せず相談できるか。

客先と直接やり取りできるか。

担当している仕事を最後まで進められるか。

こうしたことができていれば、独立後も現場で仕事をする力はある程度あると思います。

逆に、

「客先で困ったことがあれば自社が何とかしてくれる」

という部分への依存が大きければ、独立を急がない方がよいかもしれません。

自分が何で評価されているか分かっているか

50代になると、多くの経験があります。

ただ、

経験年数が長いこと自体が独立の強みになるわけではありません。

大切なのは、

「自分は何で評価されているのか」

を理解していることです。

私の場合は、最新技術が強みではありません。

これまで経験してきた、

  • 要件整理
  • 基本設計
  • 利用部門との調整
  • ベンダー調整
  • 設計レビュー
  • 課題整理
  • 運用まで考えた設計

といった部分で貢献しています。

つまり、

「IT経験が長いです」

ではなく、

「この部分なら任せてもらえる」

と言えることが重要です。

自分の強みが分からない場合は、

今の現場で何をよく頼まれているか。

どの仕事で相談されることが多いか。

何を任せると安心だと思われているか。

を振り返ると分かりやすいと思います。

「今の仕事が嫌だから独立する」はやめた方がよい

私は、

今の仕事や会社が嫌だからという理由だけで独立するのは、やめた方がよい

と思っています。

もちろん、会社を辞めたい理由があること自体は問題ありません。

人間関係。

給料。

会社の制度。

評価。

仕事内容。

さまざまな不満があります。

私自身にもありました。

ただし、

今の会社を辞めれば、すべての問題が解決するわけではありません。

独立すれば、別の問題が出てきます。

案件をどう取るか。

収入が途切れたらどうするか。

契約が終わったらどうするか。

客先との問題をどうするか。

次の仕事をどう探すか。

これらを自分で考える必要があります。

そのため、

「今の環境から離れたい」

だけではなく、

「会社を離れても、自分で仕事を続けられるか」

を先に考えた方がよいと思います。

独立前に確認したことについては、50代ITエンジニアが独立前に確認したこと|勢いで辞めないための準備でも整理しています。

今の仕事が嫌なのであれば、転職という選択肢もあります。

会社を変えることで解決する問題なら、独立する必要はありません。

独立を急がない方がよい人

私なら、次のような状態であれば独立を急ぎません。

  • 自分一人では仕事を進めるのが難しい
  • 客先から何を評価されているか分からない
  • 自分の強みを説明できない
  • 自社のサポートへの依存が大きい
  • 自分に合う案件があるか分からない
  • 無収入期間への備えがない
  • 今の会社を辞めたいことが独立理由の中心になっている

この状態であれば、会社員のうちにできることがあります。

現場で任される範囲を広げる。

自分の強みを整理する。

職務経歴書を更新する。

市場にどのような案件があるか確認する。

生活資金を準備する。

独立前のお金については、50代ITエンジニアが独立前に準備したお金の話|生活費・税金・社会保険で、無収入期間への備えも含めて整理しています。

こうした準備をしてから独立しても遅くありません。

独立する前に「自分に案件があるか」を確認する

現場で自立して仕事ができていても、それだけで独立できるとは限りません。

もう一つ確認しておきたいのが、

実際に自分の経験に合う案件があるか

です。

例えば、

  • どのような経験が求められているか
  • 自分が担当できる案件があるか
  • 年齢がどの程度影響するか
  • 求められる役割は何か
  • 単価はどの程度か
  • 常駐かリモートか

を確認します。

これは会社を辞めてから確認する必要はありません。

会社員のうちに、フリーランスエージェントなどで案件を確認できます。

私なら、

「独立するために登録する」

というより、

「今の自分で独立した場合に仕事があるのか確認する」

ために利用します。

独立するかどうかを決める前に、自分の経験に合う案件が実際にあるのか確認しておくと判断しやすくなります。

どのような案件があるのか。

どのような経験が求められているのか。

自分の経験なら、どの程度の案件が対象になるのか。

こうしたことを会社員のうちに確認できます。

案件が十分にありそうなら、独立判断の材料になります。

逆に、条件に合う案件がほとんどなければ、

「今はまだ独立しない」

という判断もできます。

それも重要な結果です。

また、案件が見つかっても、単価だけで選べばよいわけではありません。

自分がその案件で何を提供できるのかを見ることが重要です。

案件選びについては、50代ITフリーランスが案件を選ぶ基準|単価だけで決めない考え方で詳しく書いています。

フリーランスエージェントに登録したからといって、独立する必要はありません。

まずは、

「自分の経験に合う案件が本当にあるのか」

を確認するために使えばよいと思います。

一つのサービスだけで判断せず、複数のエージェントで案件を確認すると、自分の経験がどの程度求められているのか比較しやすくなります。

▶ 自分の経験に合うフリーランス案件があるか確認する

レバテックフリーランス

PE-BANK

独立するかどうかを決める前に、まず市場を確認する。

私はその順番の方がよいと思います。

私の場合、なぜ独立を続けているのか

私は現在もITフリーランスとして仕事をしています。

独立そのものが目的だったわけではありません。

SES時代を振り返ると、

自社から細かく指示を受けなくても、客先で仕事を進めていました。

お客様からも継続して仕事を任せてもらい、仕事上の評価を得ていました。

また、現場の仕事については、自社のサポートがなくても自分で進められる状態になっていました。

つまり、先ほど挙げた、

「自分の仕事」「お客様の評価」「自社への依存度」

という3つの判断材料について、独立を検討できる状態になっていたと思います。

そして実際に独立したあとも、これまで積み上げてきた経験を使って現場で仕事を続けられています。

私は管理職よりも、実際のシステム開発の現場で仕事をする方が合っています。

要件を整理する。

設計する。

利用部門と話す。

ベンダーと調整する。

問題を整理する。

こうした仕事を続けたいと考えています。

そのため、現時点では独立という働き方が自分に合っています。

ただし、

「独立した以上、一生フリーランスでいる」

と決めているわけではありません。

状況が変われば、働き方を変える可能性もあります。

50代で独立する前の判断チェックリスト

私なら、独立する前に次のことを確認します。

  • 今の現場で自分から仕事を進められているか
  • お客様から仕事上の評価を得ているか
  • 自分は何で評価されているか分かっているか
  • 自社のサポートがなくても現場で仕事ができるか
  • 自分の経験に合うフリーランス案件があるか
  • 案件が終了したときに次を探せるか
  • 数か月無収入でも生活できるか
  • 社会保険や税金について確認しているか
  • 家族と話をしているか
  • 独立理由が「今の会社が嫌だから」だけになっていないか

全部に自信がなければ独立できない、という意味ではありません。

大切なのは、

どこが足りないのかを自分で把握すること

です。

足りない部分があれば、会社員のうちに準備できます。

まとめ

50代ITエンジニアが独立すべきかどうかに、全員共通の答えはありません。

ただ、SESで働いているのであれば、独立できそうかどうかを判断する材料はすでにあります。

私なら、

「自分の仕事」「お客様の評価」「自社への依存度」

の3つを確認します。

今の現場で自分から仕事を進められているか。

お客様からどう評価されているか。

自社のサポートがなくても仕事を進められるか。

さらに、自分の経験に合うフリーランス案件が実際にあるかを確認します。

こうしたことを見ていけば、

独立後もやっていけそうか

がかなり見えてくると思います。

逆に、

「今の会社が嫌だから独立したい」

だけであれば、私は急がない方がよいと思っています。

会社を辞めたいことと、独立して仕事を続けられることは別だからです。

転職する。

今の会社でもう少し経験を積む。

独立に必要な準備をしてから辞める。

そうした選択肢もあります。

私が独立判断で一番大切だと思うのは、

「独立したいか」ではなく、「会社のサポートがなくても自分の力で仕事を続けられるか」

です。

読者の方も、

「会社のサポートがなくても、今と同じように客先で仕事を進められるだろうか」

と一度考えてみてください。

その答えは、50代で独立するかどうかを判断する大きな材料になると思います。


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