はじめに
私は会社を退職したあと、個人事業主としてITフリーランスの仕事を始めました。
最初から法人を作ったわけではありません。
ITフリーランスとして一人で仕事をするのであれば、個人事業主で特に困ることはありませんでした。
その後、マイクロ法人を作りました。
一番大きな理由は、
社会保険料の負担を見直すためです。
独立後もしばらくは、会社員時代に加入していた健康保険を任意継続していました。
そのため、当初は健康保険料をそこまで大きな問題とは感じていませんでした。
独立前に準備した生活費・税金・社会保険については、50代ITエンジニアが独立前に準備したお金の話|生活費・税金・社会保険でも整理しています。
転機になったのは、任意継続終了後の健康保険料を計算したときです。
「これは何か対策を考えた方がいい」
と感じました。
そこで調べ始めた選択肢の一つが、マイクロ法人でした。
ただ、実際に検討してみると、単純に法人を作ればよいわけではありません。
私の場合は、個人事業とは別に、法人として行う事業と販路を考える必要がありました。
法人を作れば、会計や決算、社会保険などの管理も増えます。
この記事では、私がなぜマイクロ法人を作ったのか。
個人事業主のままと何が違うのか。
実際に作って何が増えたのか。
実体験をもとに整理します。
マイクロ法人をすすめる記事ではありません。
自分の場合に本当に必要なのかを考えるための記事です。
この記事でわかること
この記事では、次の内容を整理します。
- 私がマイクロ法人を作った理由
- 任意継続終了後に社会保険対策を考えた経緯
- 個人事業と法人をどう分けたのか
- 法人側の事業と販路をどう考えたのか
- 個人事業主と法人の違い
- 法人を作って増えた手間と費用
- 私の場合、作ってよかったのか
- 作る前に確認したこと
結論:きっかけは任意継続終了後の健康保険料だった
先に結論を書くと、私がマイクロ法人を作った一番大きな理由は社会保険料です。
ただし、独立してすぐに、
「社会保険料が高いから法人を作ろう」
と考えたわけではありません。
任意継続終了後の健康保険料を計算したことで、
「このまま負担するのか」
「何か別の方法はないのか」
と考えるようになりました。
その中で検討したのが、マイクロ法人です。
ただ、最終的な判断では社会保険料だけを見ませんでした。
法人を作れば、
- 法人として行う事業
- 販路
- 会計
- 決算
- 社会保険
- 役員報酬
- 法人を維持する費用
も考える必要があります。
私の場合は、
社会保険料の負担と、法人を維持する費用や手間を比べたうえで作ることを決めました。
任意継続終了後の健康保険料が転機になった
私は5月にSES会社を退職しました。
その時点では、まだ次の仕事は決まっていませんでした。
健康保険については、会社員時代に加入していた健康保険を任意継続しました。
その後、9月にITフリーランスとして独立しました。
そのため、独立後も約1年半は任意継続を利用しました。
この間は、
「健康保険料が高すぎて困る」
という感覚はありませんでした。
独立当初は、社会保険対策よりも仕事を安定させることの方が重要でした。
仕事を確保する。
収入を安定させる。
独立後の生活を成り立たせる。
まずはそちらを優先しました。
独立後の働き方や会社員時代との違いについては、50代ITフリーランス1年目の働き方|会社員時代と変わったことで詳しく書いています。
ところが、任意継続終了後の健康保険料を計算すると、負担がかなり大きくなることがわかりました。
年間で考えると、
何か対策を検討した方がよいと思える金額でした。
ここで初めて、社会保険の負担を見直す方法を具体的に調べ始めました。
マイクロ法人を作ること自体が目的だったわけではありません。
必要な対策を調べた結果、選択肢の一つとして出てきたのがマイクロ法人でした。
マイクロ法人を選択肢として調べた
マイクロ法人について調べる中で、私が注目したのは社会保険です。
私がマイクロ法人を作った主な理由が社会保険料であることは事実です。
ただ、
「小さな法人を一つ作れば終わり」
とは考えませんでした。
法人を作るのであれば、
法人として何をするのか
を決める必要があります。
私の場合、ここで重要だったのが、
個人事業とは別の事業と販路を作ること
でした。
ITフリーランスとして行っている個人事業の仕事を、単純に法人側へ振り分ける形にはしませんでした。
個人事業は個人事業。
法人は法人。
それぞれの事業を分けて考えました。
社会保険料だけではなく、
法人として継続できる事業を作れるか
も判断材料になりました。
法人側の事業と販路を考えた
マイクロ法人を作るにあたり、
「法人では何をするのか」
を考えました。
個人事業では、ITフリーランスとして仕事をしています。
法人側では、それとは別の事業を行います。
そのため私の場合は、法人側の販路についても個人事業とは分けて考えました。
ここは、実際に検討してみて重要だと感じた部分です。
社会保険料だけを見ていると、
「法人を作る」
ところで話が終わってしまいます。
しかし私の場合は、
- 法人で何をするのか
- 誰を相手にするのか
- どの販路から売上を作るのか
- 個人事業とどう分けるのか
まで考えました。
法人を作ることよりも、
法人として何を続けていくのか
を決める方が重要だったと思います。
個人事業はそのまま続けた
マイクロ法人を作ったからといって、個人事業をやめたわけではありません。
ITフリーランスとしての仕事は、引き続き個人事業として行っています。
そのうえで、法人は法人として別の事業を行います。
つまり、
個人事業+法人
という形です。
個人事業には、個人事業の売上と経費があります。
法人には、法人の売上と経費があります。
それぞれを分けて管理します。
個人事業だけだった頃と比べれば、管理するものは増えました。
この点は、マイクロ法人を作る前に考えておいた方がよいと思います。
個人事業主と法人では何が違ったのか
実際に法人を作ると、個人事業主だけだったときとは違う部分が出てきます。
特に感じたのは、
法人は自分とは別に管理する必要がある
ということです。
個人事業だけなら、個人事業について会計や確定申告を行います。
法人を作ると、それに加えて、
- 法人の売上
- 法人の経費
- 法人の銀行口座
- 役員報酬
- 社会保険
- 法人会計
- 決算
- 税務上の手続き
などがあります。
個人事業の確定申告がなくなるわけでもありません。
つまり、
個人事業の管理に法人の管理が追加される
ということです。
マイクロ法人と呼ばれていても、法人であることは変わりません。
役員報酬についても考えた
私の場合は、法人から受け取る役員報酬も設定しました。
ここも個人事業主だけだった頃とは違う部分です。
法人に売上が入ったからといって、そのお金をそのまま個人の生活費として使うわけではありません。
法人のお金。
個人事業のお金。
個人のお金。
それぞれを分けます。
役員報酬についても、
いくらにするのか。
法人の収支はどうなるのか。
社会保険料はどうなるのか。
個人側の収入とどう組み合わせるのか。
を考えました。
社会保険料だけに注目していると、このような法人側の管理は見落としやすいと思います。
法人を作ると手間と費用も増える
法人を作って感じたデメリットは、やはり手間が増えることです。
個人事業の管理に加えて、法人の管理も必要になります。
法人の決算など、専門知識が必要な部分を専門家に依頼すれば費用もかかります。
法人を維持するための費用もあります。
法人を作っただけで売上が増えるわけではありません。
一方で、事務作業や固定的な負担は増えます。
そのため、
社会保険料がどれくらい変わるのか
だけを比較しても十分ではありません。
法人を維持する費用。
管理の手間。
法人側の事業。
法人側の売上。
そこまで含めて考える必要があります。
50代だから今後の働き方まで考えた
私の場合、年齢も判断材料の一つでした。
50代になると、
「今年いくら負担が減るか」
だけではなく、
「これからどう働くか」
も考えるようになります。
今後何年働くのか。
個人事業をいつまで続けるのか。
法人をどうするのか。
社会保険をどうするのか。
年金をどう考えるのか。
仕事量が変わったときにどうするのか。
私は、できるだけ長く仕事を続けたいと考えています。
そのためマイクロ法人についても、短期的な社会保険料だけではなく、
今後の働き方全体の中で意味があるか
を考えました。
私がマイクロ法人を作る前に確認したこと
私の場合、マイクロ法人を作る前にいくつか確認しました。
独立そのものを決める前に確認した内容については、50代ITエンジニアが独立前に確認したこと|勢いで辞めないための準備でもまとめています。
まず確認したのは、任意継続終了後の健康保険料です。
実際の負担を確認しなければ、対策が必要なのかも判断できません。
そのうえで、
- 法人を作ることで何を変えたいのか
- 法人では何の事業を行うのか
- 法人側の販路を作れるか
- 個人事業と法人をどう分けるのか
- 法人を維持する費用はいくらか
- 会計や決算を誰が行うのか
- 個人事業と法人を分けて管理できるか
- 今後も事業を続けていくのか
を考えました。
私なら、法人側の事業や販路を具体的に考えられない状態では、マイクロ法人を作らなかったと思います。
私の場合は、
任意継続終了後の健康保険料を確認する。
対策を調べる。
マイクロ法人を知る。
法人側の事業と販路を考える。
維持費や手間を確認する。
そのうえで法人を作る。
という順番でした。
最初からマイクロ法人ありきではありませんでした。
私の場合は作ってよかったのか
現時点では、私はマイクロ法人を作ってよかったと考えています。
一番大きな理由は、当初の目的だった社会保険料の負担を見直せたことです。
一方で、個人事業主だけの方がシンプルだったことも事実です。
法人を作ったことで、
管理するものは増えました。
手続きも増えました。
費用も増えました。
法人側の事業や販路も考える必要があります。
そのため、
「社会保険料が安くなったから、それだけでよかった」
とは考えていません。
私の場合は、
社会保険料の負担と、法人を維持する費用や手間を比べても、作る意味がある
と判断しました。
これは私の収入や働き方を前提にした判断です。
誰にでも同じ結果になるわけではありません。
まとめ
私がマイクロ法人を作った一番大きな理由は、社会保険料です。
ただし、最初からマイクロ法人を作ろうと考えていたわけではありません。
任意継続終了後の健康保険料を確認したことが、対策を考えるきっかけになりました。
その結果、選択肢としてマイクロ法人を検討しました。
ただ、法人を作ればそれで終わりではありません。
私の場合は、個人事業とは別に法人側の事業と販路を考えました。
さらに、
会計。
決算。
社会保険。
役員報酬。
法人の管理。
こうした手間や費用も増えました。
私の場合は、それらを含めてもマイクロ法人を作る意味があると判断しました。
しかし、これは私の場合です。
マイクロ法人を検討するのであれば、
「社会保険料が安くなるか」だけではなく、「法人として何をするのか」まで考えることが必要
だと思います。
読者の方も、
自分はなぜ法人を作るのか。
そして、
法人として実際に何を続けていくのか。
そこまで考えたうえで、自分に必要なのかを判断してみてください。
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🧭 次回予告
次回は、
50代ITエンジニアは独立すべきか|向いている人・向いていない人の判断基準
について書きます。
ここまで、独立前の準備、案件、働き方、お金、マイクロ法人について実体験をもとに書いてきました。
次回は独立シリーズのまとめとして、どのような人が独立に向いているのか。
逆に、会社員を続けた方がよいのはどのような人なのか。
私の経験をもとに整理します。

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