はじめに
フリーランスとして働く場合、
「今の案件が終わったら、次の仕事はどうするのか」
という問題があります。
会社員であれば、担当しているプロジェクトが終わっても、すぐに収入がなくなるわけではありません。
しかし、フリーランスは案件が終了し、次の仕事が決まらなければ、売上が止まる可能性があります。
そのため、
- 次の案件を探せる状態にしておく
- 職務経歴書を更新しておく
- エージェントとの接点を持っておく
- 無収入期間に備えて資金を持っておく
といった準備は必要です。
実際に案件が終了したあと、次の仕事を探した経験については、50代ITフリーランスが案件を切られた時にやるべきこと|面接連敗から立て直した実例でも書いています。
ただ、私自身は独立するとき、仕事がなくなることをそこまで強く心配していませんでした。
理由は、SES時代に常駐していた客先とのパイプがあり、仕事上の評価も高かったからです。
私はSES会社に約7年間在籍し、その間は客先常駐で仕事をしていました。
そこで仕事を積み重ねる中で、
「今後も仕事を任せてもらえる可能性は高い」
と感じていました。
実際、SES会社を辞めたあと1年間は元客先への復帰を控えましたが、その後、元客先の仕事に戻っています。
現在も重要なポジションを任されています。
私の経験から感じるのは、案件終了への備えは、案件が終わってから次を探すことだけではないということです。
今の仕事で信頼を積み上げ、「次もこの人に頼みたい」と思ってもらえる状態を作る。
これも、大きな案件終了対策だと思っています。
この記事では、私の実体験をもとに、50代ITフリーランスが案件終了にどう備えるかを整理します。
独立をすすめる記事ではありません。
継続的に仕事を得るために、普段の仕事で何が大切なのかを考える記事です。
この記事でわかること
この記事では、次の内容を整理します。
- 私が案件切れをそれほど心配していなかった理由
- SES時代の評価が独立後の仕事につながった経緯
- 継続的に仕事を任せてもらうために大切なこと
- 人脈と仕事上の信頼の違い
- 案件が続いているうちにしておきたい準備
- 50代でこれまでの経験をどう活かすか
結論:一番の案件終了対策は信頼を積み上げること
先に結論を書くと、私が案件終了への備えとして一番大切だと思うのは、
「次もこの人に仕事を頼みたい」
と思ってもらえる状態を作ることです。
もちろん、職務経歴書を更新したり、次の案件を探せる準備をしたりすることも必要です。
ただ、毎回ゼロから案件を探すより、これまで一緒に仕事をした人から、
「またお願いしたい」
と思ってもらえる方が、次の仕事にはつながりやすくなります。
私の場合、その関係を独立してから作ったわけではありません。
SES会社に在籍していた約7年間の客先常駐で、仕事上の評価と信頼を積み上げてきました。
その結果が、独立後の仕事にもつながっています。
案件終了への備えは、案件終了が決まってから始めるものではありません。
今やっている仕事そのものが、次の仕事への準備になる。
これが私の経験から感じていることです。
SES時代の評価が独立後の仕事につながった
私はSES会社に約7年間在籍し、その間は客先常駐で仕事をしていました。
日々の仕事では、
- 要件を整理する
- 基本設計を行う
- 利用部門と話をする
- ベンダーと調整する
- 設計内容をレビューする
- 問題や課題を整理する
- 必要な人に報告・相談する
といった仕事をしていました。
こうした仕事を続ける中で、客先から評価してもらえるようになりました。
単に顔を知っているという関係ではありません。
仕事を任せてもらう。
結果を見てもらう。
次の仕事を任せてもらう。
その積み重ねです。
そのため、独立するときも、
「今後まったく仕事がなくなる可能性はそれほど高くない」
と考えていました。
客先とのパイプだけでなく、それまでの仕事の評価があったからです。
独立後1年間は元客先への復帰を控えた
ただし、SES会社を辞めてすぐに元客先へ戻ったわけではありません。
私は、退職後1年間は元客先への復帰を控えました。
元のSES会社への配慮もあり、一定期間を空けた方がよいと考えたからです。
その期間に、コンサルティング会社から仕事をいただきました。
その案件には半年ほど参画しました。
つまり、独立後すぐに以前の客先だけを頼ったわけではありません。
一度、別の環境でも仕事を経験しました。
コンサルティング会社の案件終了後、元客先へ復帰した
コンサルティング会社からいただいた仕事は、半年ほどで終了しました。
フリーランスとして働く以上、案件には終わりがあります。
仕事上の評価とは関係なく、
- プロジェクトの終了
- 予算
- 契約
- 体制変更
などで仕事が終わる可能性もあります。
私の場合、その案件が終了したあと、SES時代に常駐していた客先の仕事へ復帰しました。
現在もその客先の仕事に関わり、重要なポジションを任されています。
そのため、現時点では、急に仕事がまったくなくなる可能性はそれほど高くないと考えています。
もちろん、絶対ではありません。
客先の事情が変わることもあります。
プロジェクトが終了することもあります。
それでも、継続して仕事を任せてもらえる状態を作れていることは、大きな安心材料になっています。
人脈だけでは継続的な仕事にはつながらない
フリーランスになると、人脈が大切だと言われます。
私も、人とのつながりは大切だと思います。
ただし、知り合いが多ければ仕事に困らない、ということではありません。
紹介で一度仕事をもらうことはできても、期待された仕事ができなければ次にはつながりません。
私の場合、独立後の仕事につながったのは、客先とのパイプだけが理由ではありません。
約7年間、一緒に仕事をする中で、
「この人はどういう仕事をするのか」
を知ってもらっていました。
こちらも、
「この客先では何を求められているのか」
を理解していました。
この関係は、単なる知り合いとは違います。
50代まで仕事をしてきた人であれば、
「知り合いが何人いるか」
ではなく、
「仕事を任せてもらえる関係がどれだけあるか」
を考えた方がよいと思います。
「この人がやって無理なら仕方ない」と思われる立場
仕事をしていると、
「この人がやって無理なら、まあ仕方ない」
と思われる人がいます。
私は、この立場まで信頼されることが大切だと思っています。
何でもできる人になるという意味ではありません。
難しいことはあります。
解決できない問題もあります。
それでも、
- 状況をきちんと整理する
- 必要なことを確認する
- 問題があれば早めに共有する
- 関係者と調整する
- できるところまでは進める
- 無理な場合は理由を説明する
といった仕事を積み重ねる。
その結果、
「この人で駄目だったなら、簡単に解決できる問題ではなかった」
と思ってもらえるようになります。
ここまで信頼されるようになると、次の仕事も任せてもらいやすくなります。
私自身、継続的に仕事を得るうえでは、この状態を作ることが大きいと感じています。
仕事を囲い込むのではなく、安心して任せられる人になる
ただし、
「自分にしかできない仕事を作ればよい」
という話ではありません。
仕事を属人化させ、自分しかわからない状態を作るのは良くありません。
むしろ、
- 必要な情報を残す
- 関係者に共有する
- 判断した理由を説明する
- 問題を抱え込まない
- 他の人でも後から確認できるようにする
ことが必要です。
そのうえで、
「この人に任せると仕事が進めやすい」
「安心して任せられる」
と思ってもらう。
仕事を囲い込むのではなく、仕事をきちんと進めることで評価される。
私はその方が、継続的な仕事につながると思っています。
私は最新技術ではなく、これまでの経験で貢献している
私は最新技術が得意なタイプではありません。
最新技術を武器にして仕事を取るタイプでもありません。
私が経験を積んできたのは、
- 要件整理
- 基本設計
- 利用部門との会話
- ベンダー調整
- 設計レビュー
- 課題整理
- 開発側との調整
- 運用まで考えた整理
といった仕事です。
派手な技術ではありません。
しかし、実際のシステム開発では必要です。
特に上流工程では、技術だけでなく、
「何を作るのか」
「なぜ必要なのか」
「誰と調整するのか」
「問題をどう整理するのか」
を考える必要があります。
私は、こうした部分で現場に貢献することを意識してきました。
50代のフリーランスであれば、
自分は何を任せてもらえる人なのか
を理解することが大切だと思います。
信頼があっても案件終了への備えはしておく
私は現在、仕事がなくなる可能性は比較的低いと感じています。
それでも、ゼロではありません。
どれだけ評価されていても、客先の事情で案件がなくなる可能性があります。
一つの客先だけに仕事を依存していれば、その影響も大きくなります。
そのため、最低限の備えは必要です。
例えば、
- 職務経歴書を更新しておく
- 現在の仕事で何を担当したか整理する
- 自分の強みを説明できるようにする
- 過去に仕事をした人との関係を切らさない
- 必要になればエージェントを利用できる状態にしておく
- 無収入期間に耐えられる資金を持っておく
といったことです。
次の案件を探す際の面談で何を見られるのかについては、50代ITフリーランスの案件面談で見られること|転職面接との違いでも整理しています。
「今の仕事が続きそうだから何もしなくてよい」
とは考えない方がよいと思います。
信頼を積み上げながら、万一にも備える。
この両方が必要です。
案件があるうちに準備した方がよい
案件終了への準備は、仕事がなくなってから始めるより、案件があるうちにしておいた方がよいです。
仕事がなくなり、売上が止まれば焦ります。
焦ると、
「早く次を決めなければ」
という気持ちが強くなります。
そうなると、
- 単価
- 仕事内容
- 稼働時間
- 通勤条件
- 自分が貢献できるか
といった条件を冷静に判断しにくくなります。
次の案件を選ぶときに何を確認するかについては、50代ITフリーランスが案件を選ぶ基準|単価だけで決めない考え方でも整理しています。
そのため、余裕があるうちに、
「もし今の案件が終わったらどうするか」
を考えておくことが大切です。
今の客先から別の仕事につながる可能性はあるか。
過去に一緒に仕事をした人へ相談できるか。
エージェントを使えば、どのような案件があるのか。
自分は何を強みとして説明できるのか。
こうしたことを整理しておくだけでも、案件終了時の動き方は変わります。
50代だからこそ、これまでの評価を確認する
50代でフリーランスになることには、年齢による難しさがあります。
一方で、長く仕事をしてきたからこその強みもあります。
それまでの実績と、仕事を通じて積み上げてきた信頼です。
私の場合も、独立してからゼロからすべてを作ったわけではありません。
SES時代の約7年間で客先常駐を経験し、その中で得た評価が独立後の仕事につながりました。
50代で独立を考えるのであれば、
- 誰から仕事を評価されてきたか
- 何を任せてもらってきたか
- 次も頼みたいと思ってくれる人がいるか
- 自分は何で信頼されているか
を確認してみるとよいと思います。
これは、独立するかどうかを判断する材料にもなります。
私が案件終了への備えで大切だと思うこと
私の経験から、案件終了への備えとして大切だと思うのは次のことです。
- 今の現場でしっかり仕事をする
- 「次も頼みたい」と思われる仕事をする
- 問題が起きたときに逃げない
- 自分が何で評価されているのか理解する
- 仕事上のつながりを大切にする
- 人脈だけに頼らず、実績を積み上げる
- 職務経歴書や実績を整理しておく
- 万一の無収入期間に備える
- 今の案件が永遠に続くとは考えない
この中で、私が特に重要だと思うのは、
今の仕事で信頼されること
です。
案件が終了してから営業するだけではなく、今一緒に仕事をしている人から、
「またこの人にお願いしたい」
と思ってもらえる仕事をする。
それが、長期的には大きな案件終了対策になると思います。
まとめ
50代ITフリーランスにとって、案件終了は無視できない問題です。
どれだけ順調な案件でも、いつか終了する可能性があります。
ただ、私自身は独立するとき、仕事がなくなることをそこまで強く心配していませんでした。
SES会社に約7年間在籍し、客先常駐で仕事をする中で、客先とのパイプと仕事上の評価を積み上げていたからです。
退職後1年間は元客先への復帰を控え、その間にコンサルティング会社で半年ほど仕事をしました。
その案件終了後、元客先の仕事へ復帰しました。
現在も重要なポジションを任されています。
私の経験では、
「この人がやって無理なら、まあ仕方ない」
と思ってもらえるくらい信頼される立場になると、継続的に仕事をもらいやすくなります。
もちろん、それだけに頼るのは危険です。
職務経歴書や実績の整理。
仕事上のつながり。
無収入期間への資金準備。
こうした備えも必要です。
ただ、案件終了への準備は、案件が終了してから始まるものではありません。
今の仕事で結果を出す。
信頼を積み上げる。
次も頼みたいと思ってもらう。
それ自体が、次の仕事への準備になります。
読者の方も、
「今の仕事で、次も頼みたいと思われる働き方ができているか」
を一度考えてみてください。
それが、50代で長くフリーランスを続けるための一つの判断材料になると思います。
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🧭 次回予告
次回は、
50代でマイクロ法人を作った理由|個人事業主との違いを実体験で整理
について書く予定です。
個人事業主として独立したあと、なぜマイクロ法人を作ったのか。
実際に考えたことや、個人事業主との違いを実体験をもとに整理します。

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