はじめに
50代でITフリーランスになると、働き方は大きく変わる。
そう考える人は多いと思います。
会社員ではなくなる。
所属会社がなくなる。
仕事は自分で受ける。
責任も自分で負う。
確かに、独立すると変わる部分はあります。
ただ、私の場合、すべてが大きく変わったわけではありません。
ここでいう会社員時代は、主にSES会社に所属して客先常駐していた時期を指します。
私はSES時代も、常駐先の仕事に関しては所属会社に細かく頼っていませんでした。
仕事の進め方。
報告・相談。
仕事範囲の確認。
顧客との距離感。
成果への意識。
こうしたことは、SES時代から常駐先の中で対応していました。
そのため、独立後に仕事の進め方が急に変わったという感覚はあまりありません。
一方で、大きく変わったこともあります。
それは、責任の重さです。
独立当初は、すべて自分で責任を負う必要があると感じました。
これはかなりプレッシャーでした。
独立前に感じていた収入や案件への不安については、50代ITエンジニアがフリーランスになる前に不安だったこと|収入・案件・年齢の現実でも書いています。
ただ、1年ほど過ぎると、その感覚にも少しずつ慣れてきました。
この記事では、50代ITフリーランス1年目の働き方について、私の実体験をもとに整理します。
独立をすすめる記事ではありません。
SES時代と比べて何が変わり、何が変わらなかったのかを考える記事です。
この記事でわかること
この記事では、次の内容を整理します。
- SES時代と独立後で変わらなかったこと
- 独立後に変わったこと
- 指示待ちの働き方が独立に向かない理由
- 仕事の自由度が上がった部分
- 休みの取りやすさの違い
- 独立後に増えた責任とプレッシャー
- 50代で独立後も無理なく働くために必要なこと
結論:仕事の進め方は大きく変わらず、責任の感じ方が変わった
先に結論を書くと、私の場合、独立後に日々の仕事の進め方が大きく変わったわけではありません。
理由は、SES時代から客先常駐で働いていたからです。
常駐先の仕事については、所属会社に細かく頼っていたわけではありません。
客先の中で仕事を進める。
必要な報告・相談をする。
仕事の範囲を確認する。
自分から動く。
成果を出す。
こうした働き方は、SES時代から意識していました。
そのため、独立後も仕事そのものの進め方は大きく変わりませんでした。
変わったのは、責任の感じ方です。
会社員やSES社員であれば、雇用されている安心感があります。
しかし、フリーランスになると、自分で契約し、自分で責任を負う感覚が強くなります。
独立当初は、ここがかなり重く感じました。
仕事で問題が起きたらどうするのか。
契約が続かなかったらどうするのか。
次の案件が決まらなかったらどうするのか。
体調を崩したらどうするのか。
こうした不安を、会社ではなく自分で受け止める必要があります。
独立1年目は、働き方そのものよりも、責任を自分で背負う感覚に慣れる期間だったと思います。
SES時代から変わらなかったこと
私の場合、SES時代と独立後で変わらなかったことも多くありました。
特に変わらなかったのは、日々の仕事の進め方です。
SES時代も、常駐先で働いていました。
実際の作業指示。
課題の確認。
顧客との調整。
設計内容の確認。
進捗の共有。
成果物の確認。
こうしたことは、常駐先の中で行っていました。
所属会社の人が毎日現場にいて、細かく仕事を見てくれるわけではありません。
そのため、常駐先でどう動くかは、自分で考える必要がありました。
これは独立後も同じです。
フリーランスになっても、現場で仕事をする以上、基本は変わりません。
現場のルールを理解する。
期待されている役割を確認する。
必要な人に相談する。
自分の作業を進める。
問題があれば早めに共有する。
こうした動きは、SES時代から必要でした。
仕事範囲の確認も変わらなかった
仕事の範囲を確認することも、独立後に急に始めたわけではありません。
SES時代から注意していました。
客先常駐では、自分の役割が曖昧になることがあります。
どこまで自分が担当するのか。
誰が判断するのか。
どこから先は別の担当なのか。
誰に確認すべきなのか。
成果物は何か。
ここが曖昧なまま進めると、後で認識違いが起きます。
これは、SESでもフリーランスでも同じです。
特に上流工程や設計に関わる仕事では、範囲の確認は重要です。
要件整理なのか。
基本設計なのか。
レビューなのか。
調整なのか。
資料作成なのか。
開発管理なのか。
言葉だけではなく、実際に何を任されているのかを確認する必要があります。
案件の役割や作業内容をどう確認するかについては、50代ITフリーランスが案件を選ぶ基準|単価だけで決めない考え方でも整理しています。
仕事の範囲を確認することは、自分を守るためだけではありません。
現場に迷惑をかけないためでもあります。
範囲を曖昧にしたまま進めると、やるべきことが漏れたり、逆に余計なことまで抱えたりします。
そのため、独立後もSES時代と同じように、最初に役割と範囲を確認することを意識しました。
報告・相談の相手も大きく変わらなかった
報告・相談についても、私の場合は独立後に大きく変わった感覚はありません。
SES時代から、仕事に関する報告・相談は、客先の上位の方にしていました。
もちろん、所属会社への連絡が必要なこともあります。
契約や勤怠、会社としての連絡事項などは所属会社に関係します。
しかし、日々の仕事の進め方については、常駐先の上位者や関係者に相談することが多かったです。
これは独立後も同じです。
作業内容の確認。
課題の相談。
進め方の確認。
関係者との調整。
優先順位の確認。
こうしたことは、現場の上位者に確認します。
ただし、フリーランスになると、所属会社が間に入ってくれない分、自分で切り分ける場面は増えました。
これは現場に相談する話なのか。
エージェントに確認する話なのか。
契約上の話なのか。
自分で判断すべき話なのか。
この切り分けは、独立後の方が意識するようになりました。
仕事の報告・相談自体は大きく変わらない。
ただし、責任の所在を自分で考える場面は増えた。
これが私の感覚です。
顧客との距離感や成果への意識も変わらなかった
独立すると、顧客との距離感が大きく変わると思う人もいるかもしれません。
しかし、私の場合は、そこも大きく変わりませんでした。
SES時代から、常駐先で顧客や上位者と会話していました。
要件を確認する。
課題を整理する。
設計内容を確認する。
認識違いを減らす。
必要な相談をする。
こうしたことは、SES時代から行っていました。
そのため、独立後に急に顧客との距離が近くなったという感覚はありません。
成果への意識も同じです。
SES時代でも、現場で評価されなければ継続は難しくなります。
常駐先で役割を果たせるか。
期待された仕事ができるか。
信頼されるか。
次も任せてもらえるか。
これはSESでもフリーランスでも重要です。
独立したから急に成果を意識したわけではありません。
もともと常駐先で仕事をしていた時点で、成果を出す意識は必要でした。
ただし、フリーランスになると、その結果がより直接的に自分へ返ってくる感覚はあります。
評価されれば継続につながる可能性があります。
逆に、期待に応えられなければ契約終了につながる可能性もあります。
成果への意識そのものは変わらない。
ただ、結果を受け止める責任は重くなったと思います。
指示待ちの人は独立しない方がいい
独立後に大事なのは、自分から動くことです。
ただ、これも独立してから急に必要になるものではありません。
私の場合、SES時代から指示待ちの働き方はしていませんでした。
常駐先では、自分から確認する。
自分から課題を拾う。
必要な人に相談する。
作業の進め方を考える。
次に何が必要かを見る。
こうした動き方をしていました。
独立後も、その点は変わりません。
むしろ、指示待ちの人は、独立しない方がよいと思います。
フリーランスは、会社員以上に「何をすればよいか」を自分で考える場面が増えます。
もちろん、勝手に進めればよいという意味ではありません。
確認は必要です。
報告も必要です。
相談も必要です。
現場のルールに合わせることも必要です。
ただし、指示がないから何もしない、という働き方では厳しいです。
特に50代で独立する場合、これまでの経験を活かし、自分で役割を理解して動けることが大切だと思います。
独立を考えるなら、まず今の働き方を見直した方がよいと思います。
今の現場で指示待ちになっていないか。
自分から確認できているか。
課題を放置していないか。
必要な相談ができているか。
現場に貢献できているか。
このあたりができていない状態で独立すると、かなり苦しくなると思います。
独立後に変わったのは責任の重さ
独立後に一番変わったのは、責任の重さです。
仕事の進め方はSES時代と大きく変わりませんでした。
しかし、責任の感じ方は違いました。
会社員であれば、会社の仕組みの中で働きます。
給与。
有給休暇。
社会保険。
上司への相談。
社内の支援。
会社としての契約。
こうしたものがあります。
SES時代も、日々の仕事では所属会社に頼っていなかったとはいえ、雇用されている安心感はありました。
一方で、フリーランスになると、その安心感は小さくなります。
契約が終わる可能性があります。
体調を崩せば収入に影響します。
仕事で問題が起きれば、自分で対応しなければなりません。
次の案件も考える必要があります。
独立前の生活費や税金、社会保険などの準備については、50代ITエンジニアが独立前に準備したお金の話|生活費・税金・社会保険でも整理しています。
独立当初、私はこの責任の重さをかなり感じました。
すべて自分で責任を負う必要がある。
そう感じて、かなりプレッシャーになっていました。
これは、独立前に頭ではわかっていたつもりでも、実際に独立してみると重く感じる部分でした。
休みの取りやすさはSES時代の方が上だった
独立すると自由に休める。
そう思う人もいるかもしれません。
しかし、私の感覚では、休みの取りやすさはSES時代の方が上でした。
会社員であれば、有給休暇があります。
SESで客先常駐していても、会社員として休暇制度があります。
もちろん、現場との調整は必要です。
ただ、制度として休みを取る仕組みがあります。
一方で、フリーランスの場合、休めばその分、売上に影響する可能性があります。
契約内容にもよりますが、働いた時間や日数が売上に関係する場合、休むことは収入にも影響します。
また、長く休む場合は、現場や契約先との調整も必要です。
そのため、単純に「フリーランスの方が休みやすい」とは言えません。
私の場合は、休みの取りやすさだけで見ると、SES時代の方が取りやすかったと感じています。
ここは、独立前に誤解しない方がよい点です。
独立すると自由になる部分はあります。
しかし、休みやすくなるとは限りません。
自由と休みやすさは、同じではありません。
仕事の自由度は独立後の方が上がった
休みの取りやすさはSES時代の方が上でした。
一方で、仕事の自由度は独立後の方が上がったと感じます。
例えば、仕事の進め方です。
何時に仕事をするか。
どの時間帯に集中するか。
どのように調整するか。
通勤手段をどうするか。
車通勤が可能かどうか。
働き方の条件をどう交渉するか。
こうした点は、独立後の方が自由度が上がったと感じます。
もちろん、すべて自分の思い通りになるわけではありません。
客先常駐であれば、現場のルールがあります。
勤務時間の決まりもあります。
会議の時間もあります。
顧客やチームとの調整も必要です。
ただし、会社員として所属会社のルールに縛られる部分は減ります。
働き方について、交渉できる余地も出てきます。
例えば、通勤に車を使えるかどうか。
これは会社員時代やSES時代だと、会社のルールに縛られることがあります。
独立後は、現場や契約先と調整できれば、選択肢になる可能性があります。
また、実際に長期休暇を取ったわけではありませんが、契約や現場との調整次第では、会社員時代とは違う形で休み方を相談できる余地はあると思います。
この点は、独立後の自由度として感じる部分です。
1年過ぎると責任の重さにも慣れてきた
独立当初は、責任の重さがプレッシャーでした。
ただ、1年ほど過ぎると、その感覚にも慣れてきました。
これは、責任が軽くなったという意味ではありません。
責任はあります。
案件が続くかどうか。
現場で信頼されるかどうか。
収入が安定するかどうか。
体調を維持できるかどうか。
こうしたことは、今でも大事です。
ただ、最初の頃のように、すべてを過剰に不安に感じる状態ではなくなりました。
実際に1年働いてみると、少しずつ感覚がつかめてきます。
どこまで自分で判断するのか。
どこは現場に相談するのか。
どこはエージェントや契約先に確認するのか。
どの程度の負荷なら続けられるのか。
どのように働くと自分に合うのか。
こうしたことが、経験としてわかってきます。
独立1年目は、仕事の内容以上に、自分の責任で働く感覚に慣れる期間だったと思います。
会社員時代・SES時代の経験が役に立った
独立後、会社員時代やSES時代の経験は役に立ちました。
特に役に立ったのは、次の経験です。
- 客先で働いた経験
- 利用部門と会話した経験
- 要件を整理した経験
- 基本設計に関わった経験
- ベンダーと調整した経験
- 現場の上位者に報告・相談した経験
- 仕事範囲を確認しながら進めた経験
- 指示待ちではなく、自分から動いた経験
これらは、独立後に急に身につくものではありません。
会社員時代やSES時代に積み重ねてきたものです。
50代で独立する場合、若い人と同じように最新技術だけで勝負する必要はないと思います。
自分が現場でどう貢献できるか。
過去の経験を、今の案件でどう活かせるか。
ここを考えることが大事です。
私の場合、SES時代に客先常駐で働いていた経験があったため、独立後も日々の現場対応については大きな違和感はありませんでした。
これは、独立後の働き方を考えるうえで大きかったと思います。
50代で独立を考える人に伝えたいこと
50代で独立を考えるなら、独立後に何が変わるのかを冷静に見た方がよいです。
私の場合、仕事の進め方は大きく変わりませんでした。
SES時代から客先常駐で自分から動いていたからです。
しかし、責任の重さは変わりました。
自由度も上がりました。
一方で、休みの取りやすさはSES時代の方が上でした。
独立すると、自由だけが増えるわけではありません。
責任も増えます。
不安もあります。
収入への影響も自分で受け止める必要があります。
それでも、自分の経験を活かして、現場で貢献できる人にとっては、選択肢の一つになると思います。
大事なのは、独立を理想化しすぎないことです。
会社員と何が違うのか。
SES時代と何が変わるのか。
何が変わらないのか。
自分は責任を受け止められるのか。
ここを冷静に考えることが必要だと思います。
まとめ
50代ITフリーランス1年目の働き方は、すべてが大きく変わるわけではありません。
私の場合、SES時代から客先常駐で働いていたため、日々の仕事の進め方は大きく変わりませんでした。
仕事に関する報告・相談は、SES時代から客先の上位者にしていました。
仕事範囲の確認も、SES時代から注意していました。
顧客との距離感や成果への意識も、大きく変わりませんでした。
一方で、変わったこともあります。
仕事の自由度は上がりました。
何時に仕事をするか。
通勤に車を使えるか。
働き方を交渉できるか。
こうした部分では、独立後の方が自由度を感じました。
ただし、休みの取りやすさはSES時代の方が上でした。
また、責任は明らかに増えました。
独立当初は、すべて自分で責任を負う必要があると感じ、かなりプレッシャーになりました。
しかし、1年ほど過ぎると、その責任の重さにも少しずつ慣れてきました。
独立は、自由だけではありません。
責任も増えます。
読者の方も、自分なら独立後に何が変わり、何が変わらないのかを考えてみてください。
今の働き方で、自分から動けているか。
指示待ちになっていないか。
現場に貢献できているか。
責任を自分で受け止められるか。
その確認が、独立を考える前に必要だと思います。
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次回は、
50代ITフリーランスが案件終了に備えてやること|次の仕事につながる信頼の作り方
について書きます。
フリーランスは、今の案件が続いていても、いつか終了する可能性があります。
ただ、案件終了への備えは、次の案件を探すことだけではありません。
次回は、SES時代に積み上げた客先からの評価と信頼が、独立後の仕事にどうつながったのかを実体験ベースで整理します。

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