50代ITエンジニアの職務経歴書の書き方|スキルマッチを伝える具体例

50代ITエンジニアの職務経歴書では、経験をたくさん書くだけでは、自分の強みが伝わりにくいことがあります。

私自身、IT業界で長く働いてきたため、書こうと思えば多くの経験があります。

しかし、大切なのは経験の数ではありません。

応募する仕事に対して、自分のどの経験が使えるのかを分かりやすくすることだと考えています。

履歴書・職務経歴書全体の考え方については、50代ITエンジニア向けの履歴書・職務経歴書の書き方で整理しました。

また、職務経歴書で経験が伝わりにくくなる原因については、50代ITエンジニアの職務経歴書で落ちる理由|採用担当に伝わらない実績の共通点で紹介しています。

今回は一歩進めて、実際の職務経験を、職務経歴書でどう具体化するかを、私自身の経験を使って紹介します。


職務経歴書では「工程名」だけで終わらせない

ITエンジニアの職務経歴書では、

  • 要件定義
  • 基本設計
  • 開発
  • テスト
  • 運用保守

といった工程を書くことが多いと思います。

もちろん必要な情報です。

ただ、

基本設計を担当

だけでは、実際に何をしていたのか分かりません。

同じ基本設計でも、

  • 一つの機能だけを担当した
  • 設計責任者だった
  • 利用部門への説明も行った
  • レビューを担当した
  • テストまで取りまとめた

など、仕事の内容は違います。

そのため私は、「何の案件で、何を担当し、どこまで任されていたか」まで整理した方がよいと考えています。


具体例1:運用保守を具体化する

私がSES会社へ転職した後、最初に担当したのは官公庁のマイナンバーシステムの運用保守でした。

単純に書くと、次のようになります。

Before

官公庁向けシステムの運用保守を担当。

間違いではありません。

ただ、これだけでは仕事内容がほとんど分かりません。

実際には、

  • 日々のシステム運用
  • メンテナンス
  • 軽微なシステム修正
  • プログラム修正
  • 問題発生時の対応
  • メンテナンス時の納入先担当者との確認

などを行っていました。

そこで、例えば次のようにします。

After

官公庁のマイナンバーシステムで運用保守を担当。日々の運用作業、定期的なメンテナンス、軽微なシステム・プログラム修正、問題発生時の対応を行った。メンテナンス作業では、必要に応じてシステム納入先の担当者と直接確認しながら作業を進めた。

こうすると、「運用保守経験あり」だけでは分からなかった仕事内容が見えてきます。


具体例2:基本設計を具体化する

次に、官公庁向け文書管理システムの大規模リプレイス案件です。

単純に書けば、

Before

文書管理システムの基本設計を担当。

となります。

しかし、実際にはそれだけではありませんでした。

最初は4つある機能のうち、1つの機能の基本設計を担当しました。

その後、

  • 担当機能の設計責任者
  • 外部結合テスト4グループのうち1グループのリーダー

も経験しました。

リプレイス後の改修案件では、要件定義のサポートも行っています。

そのため、例えば、

After

官公庁向け文書管理システムの大規模リプレイスに参画。4機能のうち1機能の基本設計を担当し、その後、担当機能の設計責任者を担当。外部結合テストでは4グループのうち1グループのリーダーを務めた。リプレイス後の改修案件では要件定義のサポートも経験した。

と書けます。

ここで重要なのは、話を大きくしないことです。

私はこの案件でPLやPMだったわけではありません。

実際に担当した「設計責任者」「テストグループリーダー」という役割を書く。

それで十分です。


具体例3:「顧客対応あり」を具体化する

別の官公庁向け文書管理システムでは、他システムとの連携機能追加案件に入りました。

この案件では、要件定義が終わり、基本設計が始まるタイミングから参画しています。

単純に書けば、

Before

他システム連携機能の基本設計を担当。

となります。

これでも間違いではありません。

ただ、基本設計の中でシステム納入先の担当者へ機能説明も行っていました。

そこで、

After

官公庁向け文書管理システムの他システム連携機能追加案件に、基本設計開始時から参画。連携機能の基本設計を担当し、設計内容についてシステム納入先の担当者への説明・確認も行った。

とすると、単に設計書を書いていたのではなく、設計内容を相手に説明しながら進めていた経験も伝わります。


「実績」は数字だけではない

職務経歴書では、「実績を数字で書きましょう」と言われることがあります。

数字で表せるものなら、分かりやすくなります。

例えば、

  • 担当人数
  • システム規模
  • 画面数
  • 拠点数
  • 処理件数
  • 改善時間

などです。

ただ、私の経験では、ITの仕事には数字で表しにくいものも多くあります。

例えば、

  • 設計責任者を担当した
  • 利用部門へ説明した
  • ベンダーと調整した
  • 障害発生時に対応した
  • 要件整理を支援した
  • 設計内容をレビューした

といった経験です。

数字がないから書けないわけではありません。

数字で示せるものは数字を使う。数字で示しにくいものは、役割や行動を具体的に書く。

この考え方でよいと思います。


「スキルがあります」ではなく、経験で見せる

自己PRでは、

  • 調整力があります
  • コミュニケーション能力があります
  • 問題解決能力があります

と書きたくなることがあります。

しかし、抽象的な能力だけでは、実際に何をしてきたのか分かりません。

例えば、

Before

関係者との調整力があります。

ではなく、

After

社内ITでは利用部門の要望を整理し、システム化する範囲を検討したうえで、ベンダーへ発注・調整を行ってきた。

とすれば、「調整力」という言葉を使わなくても、実際の経験から伝えることができます。

職務経歴書では、自分で強みを宣言するより、実際に何をしてきたかを書く。

その方が私は自然だと思っています。


募集内容に合わせて、同じ経験でも見せる部分を変える

ここがスキルマッチを考えるうえで重要です。

同じ経歴でも、応募する求人によって前に出す経験は変わります。

例えば、基本設計経験を求める求人なら、

官公庁向け文書管理システムで基本設計を担当し、その後、担当機能の設計責任者を経験。

という部分が重要になります。

運用保守経験を求める求人なら、

官公庁向けシステムで日々の運用、メンテナンス、軽微なシステム修正、問題発生時の対応を経験。

を前に出せます。

調整経験を求める求人なら、

社内ITとして利用部門の要望を整理し、ベンダーへの発注・進捗確認・調整を担当。

といった経験が使えます。

経歴そのものを変えるのではありません。

同じ事実の中から、応募先に関係する経験を分かりやすくするということです。


1案件分を書くなら、私はこう整理する

ここまでをまとめると、職務経歴書では例えば次のように整理できます。

案件概要

官公庁向け文書管理システムの大規模リプレイス

担当工程

基本設計、外部結合テスト

主な役割

  • 4機能のうち1機能の基本設計
  • 担当機能の設計責任者
  • 外部結合テスト1グループのリーダー
  • リプレイス後の改修案件で要件定義をサポート

業務内容

担当機能の基本設計を行い、その後は設計責任者として担当機能の設計に関わった。

外部結合テストでは4グループのうち1グループのリーダーを担当。

リプレイス後の改修案件では、要件定義のサポートも経験した。

この経験から伝えられること

  • 基本設計の実務経験
  • 一機能を担当するだけでなく、設計責任者まで経験
  • テスト工程でのグループリーダー経験
  • 改修案件での要件定義サポート経験

このように、案件名 → 工程 → 役割 → 実際にしたことの順で整理すると、自分でも経験を確認しやすくなります。


書きすぎにも注意する

具体的に書くことは大切ですが、すべての案件を同じ詳しさで書く必要はありません。

50代になると、職歴が長くなります。

私自身も35年以上ITの仕事をしているため、すべてを詳しく書けばかなり長くなります。

そのため、

  • 応募先と関係の深い経験は詳しく
  • 関係の薄い経験は簡潔に
  • 古い経験は必要に応じてまとめる

という整理も必要です。

職務経歴書全体の考え方については、50代ITエンジニア向けの履歴書・職務経歴書の書き方で整理しています。


書類選考に通ることを保証できる書き方はない

ここまで具体例を紹介しましたが、この書き方にすれば必ず採用されるというものではありません。

私自身、40代後半の転職活動では社内ITの書類選考で何度も不採用になりました。

その理由は分かりません。

職務経歴書だったのか。

経験が募集内容と合わなかったのか。

条件だったのか。

他の応募者との比較だったのか。

確認できていない以上、断定はできません。

その後、リクナビNEXTでSES会社に1社応募し、その会社には採用されました。

実際の転職活動については、50代ITエンジニアの転職サービス体験談|社内ITで通らずSESに採用された話で詳しく書いています。


まとめ:経験を増やすのではなく、見える形にする

50代ITエンジニアには、長年の経験があります。

ただし、職務経歴書では、経験があることと、相手に伝わることは別です。

私が意識しているのは、

  • 工程名だけで終わらせない
  • 実際に担当した内容を書く
  • 自分の役割を書く
  • 数字は使える場合だけ使う
  • 抽象的な強みを実際の経験に置き換える
  • 応募先と関係する経験を分かりやすくする

ことです。

職務経歴書を良く見せるために、経験を大きくする必要はありません。

実際にやってきた仕事を、相手に分かる形に整理する。

それだけでも見え方は変わります。

書き終えたら、50代ITエンジニアが書類選考で落ちる原因と改善チェックリストを使って、提出前にもう一度確認してみてください。

自分なら、これまでの経験の中から何を前に出すか。

応募する仕事ごとに考えてみることが大切だと思います。

🧭 次回予告

50代ITエンジニアが面接で落ちる理由7選|経験があっても不採用になる原因

職務経歴書で経験を整理できても、面接ではそれを自分の言葉で説明する必要があります。

次回は、私自身の転職活動や案件面談で感じたことをもとに、面接で見直したいポイントを整理します。

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