はじめに
「50代になった時、自分はどんな働き方を選ぶべきなのか?」
多くのITエンジニアが一度は悩むテーマです。
私はこれまで、
- 社内SE(計3社・20年以上)
- 社内SEとしての具体的な経験や、現場で学んだことについては、社内SE歴25年の私が学んだプロジェクト運営のコツで詳しく書いています。
- SES(7年)
- SES時代に評価されたポイントや、50代での立ち位置については、システム運用経験者が面接でアピールすべき3つの実績ポイントでも整理しています。
- 独立(フリーランス1年)
- 独立前に準備しておくべきことや、無職期間の現実については、50代ITエンジニアが独立前に準備すべき5つのステップで詳しく解説しています。
という3つの働き方を経験してきました。
それぞれで得たもの・行き詰まった理由・50代でどう活かせるか──
この経験から、「50代エンジニアが選ぶべきキャリア」についてまとめていきます。
1. 社内SE時代(約20年):成長と安定、そして“飽和”
■ 24歳でシステム子会社へ出向
最初のキャリアは、繊維会社からシステム子会社への出向。
ここでシステム運用・開発の基礎を学び、5年間勤務しました。
■ 外資系半導体企業へ転職
次に転職したのは、外資系半導体メーカー。
COBOL から SAP へとキャリアを広げ、基幹システムに携わるようになりました。
しかし——
会社のリストラで突然キャリアが中断。
このとき初めて「会社に依存しない働き方」を考え始めました。
■ ゴルフ場運営会社を半年挟み、外資系タイヤ製造へ
再びシステム部門へ戻り、インフラや倉庫システムを担当。
ここでの最大の成果は
👉 オンライン受注システムの立ち上げ。
要件定義〜構築まで一気通貫で担当し、PLとして責任を負いました。
約11年勤務しましたが、
買収により業務内容が変化し、やりがいが薄れて退職。
2. SES時代(7年):技術より“評価”と“調整力”が武器になる
約7年間、SESとして大手客先の現場に常駐しました。
ここでは「上流工程の調整力」が評価され、現場からの信頼も強かった時期です。
しかし、50代が近づくにつれ大きな問題が発覚します。
■ 定年後に給与が大きく下がる
SES企業では、評価が客先で決まるにもかかわらず、
給料は会社のルールで決まる。
現場で必要とされていても、
定年を越えると自動的に給与が下がることが判明し、
「このままでは将来の働き方が崩れる」と危機感を覚えました。
■ 客先との関係が強く、SES会社に依存していない
依頼のやり取り・調整事項なども直接行っており、
「正直、SES会社をはさむ意味が薄くなっている」
と感じるようになりました。
そして、ついに決断します。
3. 独立(フリーランス1年目):自由と不安の両方を知る
独立したのは56歳。
ただし、独立直後にいきなり大きな壁にぶつかります。
■ 想定していた繋ぎ案件に落ちる
元同僚の取締役が紹介してくれるはずだった仕事に落ち、
その後も面接不合格が続く時期がありました。
特に昨年の6〜7月は非常にメンタルに堪えました。
「本当に独立して大丈夫だったのか?」
そう自問する日が続きました。
■ 方向転換し、コンサル会社の面談に合格
複数のエージェントに登録し直し、
結果としてコンサル会社の PMO(テスト統括)で半年稼働。
当初から「半年契約」と理解していたため、終了時の不安はゼロ。
■ 予定通り、SES時代の客先へ復帰
5月からは、SES時代にお世話になった客先に入り、
現在は安定して稼働できています。
独立後の1年をまとめると──
- 最初の数ヶ月は想定外の苦しさ
- コンサル案件でつなぐ
- 1年後に本命案件へ入る
という“計画×柔軟性”の働き方でした。
4. 社内SE・SES・独立を比較してわかったこと
| 働き方 | メリット | デメリット | 50代に向いているか |
|---|---|---|---|
| 社内SE | 安定・福利厚生・長期視点 | 組織に縛られる・変化しにくい | ◎(安定重視の人) |
| SES | 現場で経験値UP・自由度高め | 給料が会社依存・年齢で不利 | △(交渉力あれば○) |
| 独立 | 収入UP・自由・評価がダイレクト | 無職期間の精神的負担 | ◎(実績がある50代) |
特に50代には “独立” が強くハマると感じています。
- 若手より調整力・経験が評価されやすい
- 上流工程は単価が高い
- 個人でも信頼を獲得しやすい
- SESよりも収入のロスが少ない
50代で独立は遅くないどころか、条件次第では最適解です。
5. 50代ITエンジニアにとっての“最適キャリア”とは?
私の結論はこうです。
■ ① 組織で安定を取りたい → 社内SE
ブランドのある会社でのびのび働くのも立派な選択です。
■ ② 現場経験を積みたい → SES
多様な技術に触れられ、スキルの幅が広がります。
■ ③ 自分の価値で勝負したい → 独立
安定 × 収入 × 自由 をバランスよく得られるのがフリーランス。
🔥 まとめ:50代だからこそ「選べるキャリア」がある
50代になると、
・若手のような爆発的な成長
・転職市場の幅広さ
はありません。
しかしその代わり、
・調整力
・現場経験
・積み上げた信頼
という“50代にしかない武器”があります。
その武器をどう活かすかで、
キャリアの未来は大きく変わります。
私は社内SE → SES → 独立と歩いてきて、
50代ITエンジニアの選択肢は思っている以上に広いと感じています。
あなたも、自分の経験がどこで一番価値を発揮できるのか、
一度整理してみることをおすすめします。
🧭 次回予告
第12回:50代ITエンジニアは仕事がなくなる?現場30年の結論
次回は、ITエンジニアの仕事がなくなるかを現場の視点から考えます。


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